変貌するブランディング

当事者ブランディング、シティプロモーション/シティセールス、その他ブランディングに関わる諸々、論文を掲載しています。

はじめに ~ シティプロモーションで人口は増えるのか?!

 シティプロモーション、シティセールスで本当に人口は増えるのか?!

 私の振り出しはこんな疑問にある。

 多くの地方自治体で「シティプロモーション」「シティセールス」が活況を呈している。今まで地方自治体における広報活動、コミュニケーション活動、プロモーション活動が比較的消極的だったという意味では「いい傾向」ではあるのだが、シティプロモーション活動は「打ち出の小づち」ではない。

 

 シティプロモーションで定住人口の増加を図ります!

 シティセールスで観光客誘致!

 シティプロモーションで地元産業の活性化!

 シティプロモーションで企業誘致!

 

 もちろん、自治体の内部組織全体が風通し良く、横の連携も十分に図られていて、組織統治が力強く機能するならば、こういったスローガンも現実味を帯びるだろう。しかしながら、人口増加、観光振興、産業振興、企業誘致、どれを取ってもシティプロモーション部門単体で実現するのは難しい。民間企業に換言するならば、「宣伝販促部門新設で売上倍増!」あるいは「マーケティング活動注力で大幅増益!」と言っているのに近いように思える。つまり裏付けのない楽観さ。地方自治体のシティプロモーション担当であれば、この苦悩は理解できるのではないか。

 だとするならば、シティプロモーション、シティセールスとは何から始めればよいのか。わかりやすく言うならば、ある程度縦割りの行政組織のままでも可能なシティプロモーション、シティセールスとはどのようなものなのかをベースに整理しつつ、一方で、既成の枠組みを超えた新たなシティプロモーションの挑戦についても触れていきたい。

 このブログの立脚点はここにある。

 もちろん、このブログで書こうとしていることは絶対的な「正解」ではないが、民間企業での私の経験に、現在の行政におけるシティセールス課長としての経験を上積みし、現実的かつ実践的な論理と実務を示していきたいと思う。

 結果的に、このブログは、自治体広報に関する改めての整理に加え、シティプロモーションと名付けられて以降の新たなチャレンジについて触れていくことになるだろう。加えて、シティプロモーションの入門書のようなものとして読んでいただければ幸いである。